9号車乗り場

9号車乗り場

旅行記やら日記やら

引越しをする

引越しをします。 25年半生きたこの街を出て、人生で初めて引越しをすることにしました。 とはいっても引越し先は家から1時間くらいでいけるところなので別に生活領域がガラッと変わるわけでもないし、そんなわけであまり寂しさとかは…まあ少しはあるか。

転職によって家賃補助が出るようになったので、予定していたよりいい家に住むことが出来ました。新築1K。築35年くらいの実家よりもすべての設備が新しくてびっくりしました。中学生のころから使っている机も処分してLOWYAで新しいきれいな机を買ったり、なんか白くなって触ると粉が付くシルバーラックも新品のピカピカしてるのに買い換えました。骨組みの歪んだキシキシきしむベッドも新しくしたので、きっと睡眠の質も大幅に改善されることでしょう。部屋に家具が増えていくと新生活の輪郭がはっきりしてきてとてもわくわくしてきます。

さて、引越しのために部屋を片付けているといろいろなものが部屋から見つかりました。 大学時代のレジュメやシラバス、高校の卒業アルバム、中学の修学旅行の写真、小学校の賞状。新居に持っていくわけにもいかないしそんな気も置く場所もないので、思い出とかそういうのはありますが、すべて実家に置いていきます。

それらの、特に大学時代のレジュメやシラバスなんて取っておいても仕方ないのですが、2015年のシラバスは二度と手に入らないと思うとなかなか処分に踏み切れません。

特に処分に困っているのが、人からもらったものです。

学生時代していた塾講師のバイトでもらった、生徒からのお礼の手紙。学生時代、近所に住んでいた友達を助けてあげたときに描いてもらったお気に入りのキャラクターのイラスト。高校時代から何となく捨てられなくて溜まっている年賀状。全部燃えるゴミで処分したらそれまでなのですが、きっと処分できないんだろうなと思います。

昔見たアニメ、タイトルはなんだったか忘れましたが、「この街は嫌いだ、忘れたい思い出が詰まった街だから」みたいな主人公の独白で始まる作品がありました。私はこの街に何か思い出があるのかというとそりゃ25年住んだのですから街にも思い出はたくさんあります。たぶん、いい思い出もいやな思い出も。嫌なことは寝たら大体忘れられるのであんまり思い出せませんが。 自転車の練習をした公園、しょっちゅう飲みに行った居酒屋、高校の学校帰りによく行ったカラオケ、買い食いしたコンビニ、近所に住んでいた友人と幾度となくまた明日を言った十字路。いい思い出ばかりです。

今、リビングからおやすみと声をかけてきた母におやすみを返しました。私に自分の部屋が割り振られてから毎日繰り返してきたこのやり取りも今日を境にぐっと回数が減ります。音を上げて実家に帰ってくるとかでもない限り盆暮れ正月くらいでしょうから、年300回くらい(私も親も飲みに行って帰ってこないとかしょっちゅうなので)だったものが年数回になるのでしょう。親に優しくできるようになるよと会社の先輩に言われましたが、なるほど、これは確かに大切にしようと思えます。

思い出も、家族も、全部この街に置いていきます。新居から1時間、職場からも1時間、よく遊ぶ場所からは30分。たまには帰ってくるようにしましょう。