9号車乗り場

9号車乗り場

旅行記やら日記やら

アメリカ1/3横断の旅③(フラッグスタッフ→サンタフェ編)

5日目。この日はフラッグスタッフを出て次の町、サンタフェを目指す。唯一美味しいサラダの町ということで非常に楽しみである。いや楽しみな理由は他にちゃんとあるのだが。

出発前にウォルマートで水を補給した。最初の目的地はアリゾナ大隕石孔である。何もない荒野を1時間ほど走ると山のようなものが見えるが、これがクレーターだ。18$を払い中に入ると博物館と展望台があり、博物館の方は宇宙に関する説明を英語で読んでもさっぱりだったので早々に展望台に移動した。日本なら仮にクレーターがなくても十分観光地になるだろう絶景の中で備え付けの双眼鏡を覗くと、クレーターの観測施設や隕石が落ちた穴なとが見える。残念ながら一番下まで降りることはできなかったがそのスケールは圧巻であった。

f:id:aiz4ryhe:20180918211924j:image
f:id:aiz4ryhe:20180918211930j:image

次に目指すのはペトリファイドフォレスト。こんなところ日本人が来るわけないと思っていたのだが入場ゲートで日本語のパンフレットを渡されて驚いた。年間何人くらいが来るのだろうか。名前の通り木の化石が砂漠の中に転がっている異様な光景が広がる国立公園だ。まさに叩きつけられる自然という表現が正しい。化石になった木は、遠目に見ると明らかに朽木なのだが近寄ると石のきらめきと白、赤、黒などに色付いており、石であることがわかる。車道の横に遊歩道が整備されているがそこは砂漠の真ん中である。注意書きに「車外に行くときは必ず水を携帯し帽子をかぶること」と書いてあったが、帽子を持っていなかったので私が感じた暑さはそれ以上であった。水曜どうでしょうではまだ遊歩道がなかったのか木に触れたり座ったりしていたが、それが出来なくなったのは残念だった。自然保護のために仕方ないというか当然のことなのだが。

公園入り口と最奥にビジターセンターがあり、そこでインディアンの工芸品が多く販売されていた。見る分には美しいアクセサリーがあったが、日本でつける勇気は出なかったので購入は見送った。そんな高いものでもなかったし記念に買っておけばよかったかもしれない。

f:id:aiz4ryhe:20180918213024j:image

f:id:aiz4ryhe:20180918212029j:image
f:id:aiz4ryhe:20180918212033j:image
f:id:aiz4ryhe:20180918213011j:image

実は公園の手前で引き返す予定だったので時間が大幅に遅れ、サンタフェの手前の町アルバカーキに着く頃には日が暮れてしまっていた。サンタフェの夕暮れが美しいと聞いていたので是非見たかったがそれは明日に回すとして、その代わりにアルバカーキの夜景を見ることができた。荒野の中に突然広がる都市の明かりは一見の価値ありだ。

さてサンタフェに20時頃着き…と思っていたのだが、アリゾナ州ニューメキシコ州の間で1時間の時差があり既に21時になっていたことを、ホテルロビーの時計で知る。慌ててホテルの横にあったスーパーで冷凍食品のピザと白身魚(多分タラ)、ビールを購入し食事をとった後就寝した。ピザはオーブンがなかったのでフライパンで焼いた。「焼いてくれるなら食べる」と言ったのに焼いてる間に寝た友人は絶対に許さない。

f:id:aiz4ryhe:20180918212206j:image

余談だが、この街は英語圏外の観光客があまり来ないのか、こちらが英語を介さないと分かってもそのまままくし立てられる。ロビーの説明も5%くらい(朝食の場所と部屋番号)しかわからなかったので、もし行く方がいれば頑張ってほしい。


6日目。この日はサンタフェ市内をゆっくり観光する。朝食は恐らくホテルで出ているのだが説明がよくわからなかったので、前日焼いて食べなかったピザを2枚食べた。日本人の胃には優しくない生活だ。

観光に出る前にウォルマートに立ち寄り飲料水を確保。24本2.49$で格安。やはり生活必需品だからであろう。

最初の目的地はランチョデタオスという地域にある、San Francisco de asis churchという名の土造りの教会。観光地化されていないせいで近づく事すら難しかったが小さいながらも立派な教会である。ただ中に入れない雰囲気が漂っており、残念ながら内装を拝むことはできなかった。

f:id:aiz4ryhe:20180918212310j:image
f:id:aiz4ryhe:20180918212414j:image

隣にあったメキシコ料理の店で昼食。beef and beans burritoなんたらを頼んだら、ビーフは美味いものの謎の豆があんこの味を5倍くらいに薄めた味で申し訳ないが口に合わない。トイレの場所を教えてもらうために店員と会話して初めて真っ当に英語を使った気がする。

f:id:aiz4ryhe:20180918212437j:image

その後今日泊まるホテルEl Doradoにチェックイン。およそ分不相応な感じ漂う高級…どのくらいかというとどこかの結婚式の披露宴をやっていたり、駐車場に自分で止める必要がない(係員がやってくれる)ようなところだ。ちなみに駐車場係員に話しかけたら「俺は今休憩中だから受け付けないよ」的なことを言われて追い返された。羨ましい。

f:id:aiz4ryhe:20180918212537j:image

さて散策である。この街は店、道全ての規模が日本サイズで多くの人が出歩いていてそれもあって非常に治安がいい。この日はfiesta de Santa Fe というお祭りが開かれていて出店やバンド、飲食店が軒を連ねて活況に包まれていた。出店ではメキシコ料理やおぞましい色のお菓子にアイス、アクセサリーが売られていた。ここは夜に起きる一件の舞台となる。

f:id:aiz4ryhe:20180918212603j:image

会場を後にして向かったのはサンミゲル教会、アメリカ最古の教会である。結婚式場としても使われているようで、チャペルの鐘が町中に響いていた。またここの裏にはoldest houseと呼ばれるアメリカ最古の家がお土産屋として残っており、歴史好きとして思うところがあった。

f:id:aiz4ryhe:20180918212655j:image
f:id:aiz4ryhe:20180918212740j:image

サンミゲル教会の近くにはロレット教会がある。ここは支柱のない螺旋階段が設置されていて「サンタフェの奇跡」とも呼ばれる。ここを訪れた時はちょうど結婚式が開かれていたので明日に回すことにした。その後は街並みを眺めながら商店街を散策。裏路地にも沢山の店があり、つい民族チックな模様が取り入れられた毛布を買ってしまった。

夕食はホテルの近くのバーでバーガーとビールを飲んだ。店員がとても親切で英語が通じないとみるや身振り手振りで説明してくれ、ビールの注文に至っては3種類程試飲させてくれた。「この店で一番人気のビールをくれ」という厚かましい注文にも応えてくれた。運ばれてきたIPAはあいにく私の口に合わなかったが、友人は美味い美味いと飲んでいた。

f:id:aiz4ryhe:20180918212835j:image
f:id:aiz4ryhe:20180918212838j:image

ホテルに戻る前に先ほどの祭りをもう一度覗こうということでそちらに向かったのだが、そこでちょうどバンド演奏が行われていたので観客に混じってみたが驚いた。演奏が始まると同時に30人ほどの観客が突然踊り出したのである。若い女性や中年夫婦がおもいおもいの動きでバンドを盛り上げる姿に、この旅行中最大の国民性をみた。1曲を除いて知らない曲だったが、それでも自然と彼らの動きに乗せられてしまうような空気がある土地柄が観光客に話しかけてくる理由の一端なのではないだろうか。

f:id:aiz4ryhe:20180918212946j:image

明日はそこまで早起きではないのだが、疲れによって早めに就寝。どうでも良いが4人全員しっかり歯磨きして寝た日がない気がする。毎晩誰かしら風呂待ち中に寝落ちしている。