9号車乗り場

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旅行記やら日記やら

backnumberのヒロインの男の子はガラケーを使っていると思い込んでいた

聖夜だなんだと繰り返す歌が流れる街がわざとらしくきらめく折、いかがお過ごしでしょうか(時候の挨拶)

絶賛爆発炎上中の案件に参画している私は別にメンティーでもないのに走りまわっているわけで、自宅の最寄りに着くのが22時を回ることもざらになっています。私は、「最寄りに着いた時間が21時を過ぎていた場合、夕飯を外食としてもよい」というマイルールを敷いています。必然、最近は忘年会シーズンということは別にして、外食で済ますことが多くなっています。

私の家は駅徒歩7分、道中、夕飯に適した店となるとすき家吉野家、それにラーメン屋(大して美味しくない)くらいしかないのですが、まあ大体は店がそれなりに綺麗という理由ですき家に入ります。

先日もそうでした。すき家の券売機にクレジットカードを突っ込み、ねぎ玉牛丼の並を選び、冷水機からお茶を淹れ、席に着き、食券を渡し、スマホをお供に食事を済ませる。約20分の作業の間、店内にはこの時期にそっくりなクリスマスソングに始まり、backnumberの曲が粛々と流れていました。おそらく店内で私以外誰も聞いていないであろう曲をBGMに味噌汁をすすっていると、クリスマスソングの次にヒロインが流れ始めたのです。 私の家は駅から徒歩7分と書きましたが、その街は、いや町はずいぶんと陰気なものです。右手にタバコを左手にスマホを持ち歩道をチャリで爆走する爺、改札口でうずくまり泣き喚く女性とそれを囲む警官、この間は無灯火の自動車に出くわしました。そんな町の駅前のすき家でbacknumberをかけるなとひとりごちつつも、ヒロインがかかった時私は「まあこの町でbacknumberかけろって言われたらヒロインにするか…」と思ったのでした。

当然ですが、ヒロインは初週売上は約2万9000枚で[2]、9thシングル「fish」の初週売上約1万8000枚を上回る自己最高の記録となった[2]。さらに、9thシングル「fish」の累計約2万1000枚も初週売上のみで上回っている[4]。iTunesトップソングでは9日連続の1位を記録している[5]。2020年現時点では、「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」に続く、同バンドを代表する楽曲の1つとして挙げられている。名曲です。私も好きです。路肩で酔い潰れた男を睨めつけながら出勤したり、赤と青の目に悪いカラーリングのイルミネーションを見て帰ってきたことを痛感したり、駅前でスケボーしてるにいちゃんを警官が追っかけ回したりしている町の情景を歌ったものでは断じてありません。ではなぜそんなことを思ったのかといえば、主人公の男の子がガラケーを使っているからです。この町にスマホは眩しすぎる。

あれ?なんでガラケー使ってると思ったんだ?別にmvでそんなシーンなかったし、リリースも2015年です。iCT総研による『2015年度 SNS利用動向に関する調査』に依れば、「日本国内におけるSNSソーシャルネットワーキングサービス)利用者は年々増加しており、2015年末には6,451万人に達する見込み」としており、私も間違いなくスマホを使っていたはずです。それなのになぜ?と思って聞き直してみるとこの男の子、積もった雪のことをメールで伝えようとしてるんですね。スマホになってからメールなんてきっと数えるくらいしか送ってないし、ましてや想い人にメールを送るなんて。でもこの歌の男の子はスマホを手にソファからではなく、ベランダで寒い手を擦りながらメールを送ろうとして打ち掛けのままポケットに入れたに違いないのです。

この町に住んで1年半。積もるほどの雪は見ていないし、ベランダのエピソードも毎朝通勤途中にあるアパートのベランダでどこの国かもわからない言語で電話をしている婆とベランダにピンクのネオンを光らせている謎の家くらいしかないけれど、この町にも多少の思い出が出来てきました。東京湾に向かって流れる決して清らかでない川に反射する朝日、夜中遠くに見える青白く輝くスカイツリー、結構好き。もう少し住んだらもっと好きなところが出来るのかもしれません。そう考えると引っ越さなくていいかな、なんて考えたりまーーーーーーーーーた駅前でカップルが警察に囲まれてら。