9号車乗り場

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旅行記やら日記やら

意味のあること?

友人がこんなことを言っていた。

「20代をただ消費したくない、何かやりたい」

ちょうど最近、俺も同じようなことを思っていた。

 

俺は華の青春をオタク趣味に捧げてきた。捧げてしまった。

特にポケモンのゲームが好きだった。中三の時に、ポケモンのタイプ相性すらあやふやな俺にひたすらバンガブ(バンギラスガブリアスの組み合わせ)の強さを説いてきた友人がいたのだ。いつの間にかその世界にのめり込んだ俺は大学ではポケモン研究会に入り、合わせて8年間ほどをポケモンに費やしたということになる。

何だったのだろう。

卒業してふと大学時代の友人たちを思い返すと、皆なにかしらの「社会に受け入れられる」特技があるのだ。楽器を弾けたり、絵が描けたり、歌がうまかったり。中には演劇を打ったり小説を書いているやつもいる。全国一位になったやつもいる。

俺はなにをしていたのだろう、そう思うと、オタク趣味に現を抜かしていた期間があまりにも空虚に感じる。

ポケモンに一番はまっていた時期は一日中やっていた。昼に起きて、枕元にあるDSを手にし、何となく食事をしながらプレイ。そのまま夕飯までプレイして、食後は日付が変わり寝落ちるまでプレイ。当然プレイ時間はカンストしていたし、ポケモンのボックスも一杯になっていた。それがどうしたというのだろう。今やそんなにも時間を費やしたDSは悉く机の引き出しに眠っている。携帯ゲームを入れている棚を最後に開いたのはもうずいぶん前だ。最新版の剣盾も購入はしたが、半年はプレイしていない。

ゲームには、全国大会や世界大会があるものもある。通信対戦のあるコンテンツであれば現時点での自分の世界ランクがわかるものも多い。ポケモンも例に違わずその手の類の要素があった。俺は通信対戦にはまっていたのでこちらも相当やり込んだ。恐らく、ここだけでもプレイ時間をカンストさせる自信がある。で、俺はこの世界ランクで最高173位になった。2014年のことである。当時どのくらいのプレイヤー人口がいたのか知らないが大体15万人強程度だったはずだから、これは評価されるべき成績である。ただし、あくまで「ポケモンガチ勢」という極めて限られた世界での話ではあるが。

以前書いたような気もするが、「社会に認められる特技」を持っている人間は強い。「ポケモンで世界173位になったことあります!」なんて言われたって常人からしたらなんのこっちゃである。いい年してポケモン?キモーイ、ポケモンが許されるのは小学生までだよねー!そんな反応であろう。今サクッと調べたところ、2019年度の日本高校男子サッカーの競技人口が162,397人だそうだ。大体ポケモンと同じである(全国の健康的なサッカー部員の皆さん、オタクの比較対象にすることをお許しください)。「高校の時日本で173番目にサッカー上手かったんだぜ」となれば、これは中々評判が良さそうだ。

 

俺がこれまでの人生で出した成績を適当に振り返ってみよう。

まず得意だったのは水泳。競泳選手を目指すコースに入っていたことがあり、高校でも水泳部だったのでこれはそこそこ早かった。早かった?小3~5、高校3年間の述べ6年間の中で表彰台に乗ったのは1度だけだ。それも7位入賞。高校の時は市の小さな大会でメダルの乱獲をしていたが、公式記録にすらならない。記録を漁ったが、50mFr27.80s、 50mBa36.18s、100mFr58.75s...極めて平凡、ひいき目に見て少し早い?そのくらい。

そして悲しいかな、人に話すに値する成績は以上である。あ、卒論のゼミで29人中8位だったよ。

 

高校入学から今に至るまでの9年間の成果がこれである。あまりにも、あまりにもみすぼらしいではないか。前回ちらっと書いた絵の練習だのは、そこからの反省に依る足掻きである。それが結実するか、はたまた根元からへし折れるかはわからないが、まだ、友人たちの足元くらいには及べるのではないか、そうなれば10年後、「20代を無意味に過ごした」なんて思わないかもしれない。

 

 

 

俺のことだから、「20代を『絵の練習』などという何も成果の出ないものに費やしてしまった」とか言うのだろうけど。

 

参考文献

『にいがたの地域活性化を応援するブログ』https://blog.rcn.or.jp/highschool-clubactivities/(最終閲覧、2020/07/23)