9号車乗り場

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旅行記やら日記やら

広島旅行記 3日目 呉+江田島

3日目

無事台風が去り晴天。交通網や施設も通常通り動くようで安堵した。

広島駅のロッカーに大荷物を預け、0805広行きの電車に乗る。毎度こういうボックス席って基本的には不便じゃないか?と思ってしまうのだが、単にロングシートにしか触れ親しんでいないからだろうか。隣に座ったおっさんも一人旅をしているようで、一心不乱に呉の旅行雑誌を読みあさっていた。

さて大和ミュージアム入館すると、目の前に巨大な戦艦大和の模型が。卒論を旧日本軍で書いた俺はにやけが止まらなかった。基本的に俺は水族館やら博物館やらに行くと説明文をがっつり読み込むタイプなのだが、ここは特に真剣に読んでしまい、目安3時間のコースを4時間半かけて廻った。

こういうことを言うと時々勘違いされるが、近現代史ゼミ生≠軍オタなので正直展示されている兵器については「なんかの史料で読んだ」とか「艦これで見た」くらいの感想である。その中で特に目を引いたのが回天乗組員の遺書、坊ノ岬出撃前の遺書etcの一次資料であるが、これは俺の卒論がそういったところに深く触れている内容だったからであり、卒論を書く前にここを訪れておくべきだったと酷く後悔した。

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見学を終え退館すると、観艦巡りというツアーの客引きが。1300円で遊覧船から呉港に停泊している自衛隊艦艇を見学できるというので急遽参加することにした。

正直値段的にもそこまですごいものではないだろうと思っていたが、見くびっていた。停泊していたヘリ搭載護衛艦の″かが″などの自衛艦艇を間近で、しかも下からという中々珍しい視点からの観覧が出来た。建造中のタンカー、最新鋭の潜水艦にも接近してくれるなどかなりのコスパを誇るツアーだった。

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さて、江田島に渡るにはフェリーか高速船に乗らなくてはならない。見学のためには15時までに江田島術科学校に着く必要があるが、その近辺の便は14時着の高速船か1442着のフェリーである。切符売り場の案内板には42分着に乗れば間に合うと書いてあるが、調べると集合場所に着くのは58分……本当か?と訝しむも、「皆さんこれで行かれますよ」という日本人を服従させる言葉を言われたので、じゃあそうかとフェリーでいくことにした。が、待合室にいても観光客らしき人を見かけない。船内に明らかに同族が1人いるが、本当に間に合うのだろうか?不安である。なにせ昼飯を食べる時間を切ってまで行くのだから間に合いませんでしたでは済まされない。

 

……間に合わないじゃないか。厳密には間に合ったがバス停から走らなきゃ間に合わなかったぞ。15時に正門をくぐり、ギリギリで駆け込む羽目になった。もし行く方がこの記事を読んでいるのなら、14時着の高速船でいる島を渡ることをおすすめする。幸い島にはコンビニを始め店がたくさんあり、館内も展示物があるので時間は潰せるはずだ。

肝心の90分のツアーの内容だが、大変満足できるものだった。広報案内の方のガイドで進むのだがまぁ話がうまい。海軍兵学校時代の逸話から現代に至るまでの様々な話を聞かせてくれた。赤煉瓦の建物は明治期の建設当時から使い続けられている幹部候補生教育施設、白い御影石の建物は占領期にプロテスタントの教会としても使われた大講堂。赤煉瓦の建物は144mの廊下が伸びており、艦内生活を模したものだそうだ。また、教育参考館という施設内の見学では一礼と脱帽が義務付けられるなど″らしい″ところもあった。前知識があると尚面白いと思うので、ぜひ学術書の一つでも読んでから訪れてもらいたい。

余談だが、朝電車で隣に座っていたおっさんが偶々同じツアーに参加していた。この日の俺は若干目立つ格好をしていたので恐らく向こうも気付いていただろう、気まずい。

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さて1659発のバスで港に戻り、1715の広島行き高速艇に乗り込み帰路につく。地方の整理券を取るタイプのバスの乗り方が何度やっても覚えられない。早くICカード普及率100%になってほしいものだ。広島への高速艇は1060円。呉→江田島が390円(フェリー。高速艇は550円)なのを考えると高いが、距離もあるので仕方ない。広島港から広島駅までは路面電車で向かう。ここはPASMOが使えたので一安心である。どうでもいいが、路面電車のある道の走行ルールを完全に忘れたのでそういう地方でのレンタカーは絶対にできないなと思う。1819広島駅着。新幹線は56分なのでその間に夫婦アナゴ飯という駅弁を購入。人気No.2らしい。

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新幹線に乗り込み東京へ。京都以西の新幹線に乗ったのは初めてだ。ふと、久しぶりに「帰りたくないなぁ」と思っていることに気がつく。ここ最近の旅行は長期の海外ばかりだったので、正直「ようやく日本に帰れる」という思いも強く帰国が嫌ではなかったのだ。広島がとても良い街で、台風のせいで消化不良ということもあり尚の事そういう気持ちになったのだと思う。

2256、東京駅着。