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旅行記やら日記やら

ヨーロッパ周遊+αの旅⑧ エジプト編4

卒業旅行13日目

7時起床。7:10に起こしにいったらうるせぇといわれたので静かにする。食堂で朝食を食べに行くと、今日のピラミッドツアーの日本語ガイドが集合30分前から来て話しかけてきた。ルクソールは2時間遅れたりこっちでは30分早かったりなんなんだ。ちなみに朝食にトーストを頼んだらレンチンした熱々の食パンが出てきたのだがあれは何だったのだろう。

大型のバンに乗り込みツアー開始。ピラミッド→太陽の船博物館→ラクダ乗り→スフィンクス→香水店→パピルス展示→昼食→エジプト考古博物館→ナイル川クルーズの1日ツアーだ。流石にこの時間英語はきついので日本語ガイドを申し込めて良かった。

ピラミッドまでの道中、彼が若干不自由な日本語でエジプト情勢を教えてくれる。「エジプトの大統領は軍人出身だから全員厳しくて若者は嫌いだ、若者は自由を求めている」「この国の警察は仕事しないし賄賂も受け取るから良くない」「日本の援助で大学や博物館を建てられてるからこの国の人は日本が好き」など日本上げもしてくれた。

ピラミッドに着くとさすがに観光客でごった返していてゲートも行列だったが、ガイドが受付の警察に金を握らせて別の入り口を開けさせてすんなり入場することができた。嘘だろ。

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追加料金を払い一番大きいクフ王のピラミッドの中に入る。前屈みになり細く急な坂道を登っていく。写真でしか見たことのない大回廊、王の間を実際に見ることになるとは思わなかったし最奥に辿り着いた時は「ついに来たぞ」と感動した。大回廊ではどこかの調査隊が機械を操作していたり、各所の照明にNAGOYA universityと書かれていたのが印象的だった。帰り道洞窟の天井に頭を打って抑えていたら外国人のおばちゃんにすごい心配された。内部の急勾配を登っていると、日本人の老人ツアーとすれ違った。あの年でピラミッドに来るバイタルのある老人にならなってもいい。

ピラミッドの後は太陽の船という、ファラオが死後の旅路で乗る巨大な船を見にいった。発掘された本物が丸々展示されており、5500年前に作られた事実と、それが今まで完璧な形で残ったことに驚いた。窓からピラミッドの上で寝ている野良犬を見て「生きてるのか死んでるのかわからないけどあの犬はずっとあそこで寝てます」みたいなことを言われた。贅沢な寝床だ。

太陽の船を出るとラクダに乗る。エジプトに来たからにはこれに乗らざるを得ない。5頭が連なり砂漠の中を進むルートだ。はっきりいうとラクダは馬のような、乗る生き物ではないと思った。乗っているラクダが立ち上がると落とされるかと思うほど前につんのめり、段差を超えるたび物凄い揺れが起きる。ラクダの上で自撮りでもしようと思っていたがスマホを落としかねないので出す勇気が出なかった。ただ牽引したおじさんが取ってくれた写真はthe エジプト感満載だったので乗る機会があれば是非乗っていただきたい。ちなみにこのじじいに20$盗られたのだが、チップを払うなというガイドの注意をちゃんと聞いていなかったこちらも悪いので教訓としたい。

この写真で着ているのは大英博物館で買ったロゼッタストーンTシャツ。明らかにエジプトに喧嘩を売っている。

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次はスフィンクスへ。ピラミッドの前にスフィンクスが座っている姿は何べんも写真で見たけれど実際に見るとその迫力に圧倒される。ガイドのアドバイススフィンクスとキスしているように見える写真を撮った。なんで男のキス顔を撮ったんだ。また、エジプトの考古学の授業で教授が「スフィンクスの目線の先にはケンタッキーとピザハットがある」って笑いを取っていたのをふと思い出して慌てて確認したら本当にあった。特にこの件は私にとって衝撃的で、そもそもピラミッドやスフィンクスは砂漠のど真ん中にあるというイメージだったからその話を聞いた時も、おそらく遥か地平線上にケンタッキーの建物があるくらいだろうと思っていたのだ。だからスフィンクスと道を挟んで向かいにあるそれらを見て、百聞は一見に如かずとはこのことだ。

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次にアリババという香水店へ。なんとここの店主は日本に20年住んでいたという日本語ぺらぺらの人で、日本人向けのツアーによく組み込まれる店だという。その為、商品の価格が明記されていたり案内が日本語だったり日本円が使えたりととても居心地のいい店だった。私は香水なんてつけたこともなかったのであまり興味はなかったが、彼の香水プレゼンを聞いたり実際に嗅いだりしているうちにせっかくだから何か買おうとなり、エジプトオリジナルだというlotus(古代エジプトの聖なる植物の蓮)とNefertiti(ツタンカーメンの母の名)という香水を買ってしまった。アルコールが入っていない高級品だというので、社会人になることだしつけてみることにしようと思う。

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さて、彼の香水プレゼンが恐ろしく長かった(そのお陰で香水を買ったのだが)ので2時間押しになってしまった。そこで予定されていたナイル川ほとりでの昼食を諦めガイドに現地のサンドウィッチ店で買ってきてもらうことに。それで作り出した時間でパピルス展示を見に行くとまさかの日本語でパピルスの作り方を説明された。何か買おうかと思ったのだが手製なのもあって思ったより高額で諦めてしまった。

さてサンドウィッチを食べながらエジプト博物館へ向かう。入り口で持ち物検査があるが相変わらずの適当さだ。ミイラ室に入る追加料を払おうとしたらガイドに「入らなくてもミイラは観れるからオススメしない」と言われた。中に入るとラメセス2世やネフェルタリなど有名な人々の像、装飾品、そしてツタンカーメンの黄金のマスクなどエジプトに来たら一度は見たい展示がたくさんあり1日かけて回りたい程の規模だった。動物のミイラ展示室の入り口にナイルワニのミイラがあり、「あ、ワニだ」と言ったら「oh,crocodile」と同じ反応をしている外国人がいて面白かった。他にもガイドが「古代エジプトの女性は強かった、どのくらいかというと今私が住んでいる中国の女性並みに強い。中国だと時々男に平手打ちしている女性を見かけるんだ」みたいなことを言ってきたのには笑った。

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本来の予定ではこの辺りで解散の時間だったが、まだナイル川クルーズが残っている。いくつかある船乗り場からヨットのような小型の帆船に乗り川を揺られる。水はお世辞にも綺麗ではないけれど川沿いに建てられたリゾートホテルや道行く人の姿を見ていると日本とは違う非日常感をたっぷり味わえた。

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本来の2時間遅れでホテルに到着。そこで解散と思いきやまさか明日のホテルから空港までのタクシーの手配までしてくれて本当に優しい方だった。

夕食を食べに昨日と同じエリアへ。エジプトポンドを作りたくなかったので、入り口でカード払いできる店を聞いたところ1箇所だけあったのでその店に行く。carpaccioという色々な国の料理を扱っている店で、ナイル川を眺めながら食事ができるおしゃれなところだった。シャトーフィレのコースが140エジプトポンド(約900円)など物価が非常に安いので、コース5人前にビール9杯を飲んで会計が1600エジプトポンド(1万円弱)程だった。素晴らしい。昨日の店とは大違いだ。サッカラビールというエジプトの地ビール的なものがあるのだがこの店にもなく、結局一度も飲めなかったのが残念だ。

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あまりに疲れ切っていたのでそのままソファで寝てしまった。寝てる間に布団をかけてくれた人に感謝。

余談だが、クフ王のピラミッドの断面図は大体の人が把握しているものだと思っていたがそんなことはないようだ。滅多に役に立たないけれど、Wikipediaで学ぶ世界史は面白い。